10.2 受信者の承諾を得ずに 大量に送られる電子メール (スパム) に対して、
Mailman ではどんな対策ができますか
たとえば、技術的な話題のメーリングリストの保存書庫には、
ある分野のさまざまな質問についての答えが保存してあるでしょう。
答えを投稿した人たちは、
答えを探しているひとの助けになるようにと思ってそうしたので、
自分のアドレスがまったく別の目的に使われることなど望んではいないでしょう。
みんなが簡単に連絡をとりあえることは素晴らしいことなだけに、
リストやリストの保存書庫が
スパム3を送る人たちに悪用されないようになっていることを、
はっきりさせておきたいとおもいます。
リスト管理者の取り得る選択肢として、Mailman では電子メールアドレスを
保護するためのさまざまな設定ができるようになっています。
これらの多くの設定は、リスト管理者がどう設定するか選べるので、
リストごとに設定のしかたはさまざまです。
リスト管理者は、会員を保護するとともにいろんな人に入手されないように
するため、最良の設定をしているはずです。
- 会員名簿
- リスト管理者は、会員名簿を公開するか、
リスト会員だけが見られるようにするか、
リスト管理者だけが見ることができるかを選択できます。
- 会員名簿のアドレスはぼやかしてあって、
スパム送信先アドレス収集ソフトウェアが
アドレスを収集することが難しくなっています。
- あなたは
自分のアドレスを会員名簿で隠すことができます。
(くわしくは 9.4 節を見てください。)
- 注:
リスト管理者は、
いつでも全会員の名簿を見ることができます。
- リストの保存書庫
- リスト管理者は、保存書庫を公開するか、
リスト会員だけが見られるようにする (限定) か、
まったく作らないかを選択できます。
- Pipermail (Mailman に標準で含まれている
保存書庫作成プログラム)
で作成される HTML 保存書庫では、
アドレスはぼやかしてあります。
- メールに「 yes」
ヘッダをつけて送ると、Mailman はその投稿を
保存書庫に入れません。同様に、
「 no」ヘッダをつけて送っても
保存書庫に入れません。
注意:
ほかの会員があなたの投稿を
(場合によってはあなたの電子メールアドレスも含めて)
引用することを停められるわけではありません。
- リストへの投稿の制限
- リスト管理者は、
だれがリストに投稿できるかを決めることができます。
たいていのリストは、司会つき
(司会者や管理者がいちいち投稿をチェックする)
か、会員のみが投稿できるか、
だれでも投稿できるか、のいずれかです。
- 会員のみが投稿できるようにすると、
Mailman はほぼすべてのスパムと
一部のコンピュータウィルスを遮断して、
リストを通じて送られないようにします。
そういうわけで、
この設定はリスト管理者がよく好んで使います。
- 匿名リスト
- リストを完全に匿名にすることもできます。
つまり、メッセージを送る前に
ヘッダにある送信者を特定するような情報をすべて
消すようにできます。
- これは本来、スパム防止のための機能ではありません
(ほかの用途があります) が、
使いたければこのようにも使えます。
もちろん、以上のような多くのアドレスぼやかし法は、
気づいた人たちには出し抜かれてしまうので、
保護が完璧なものとは言えないことは知っておいてください。
- ...
スパム3
- [訳注] なにをスパム (SPAM)
と呼ぶかは人によって多少違いがあるようですが、
最大公約数的な定義としては、
「受信者の承諾を得ずに、
自動的に大量の宛先に送りつけられる電子メールメッセージ」
ということになると思います。
なお、本文で説明している対策のうち、投稿の制限などは、
スパムでないいろいろな投稿を禁止するのにも使えます。