ビデオ映像をインターネットで公開したい
メディアファイルとストリーミング
ビデオカメラで撮影した動画をインターネットで公開する方法には何種類かがあります。
最も手軽な方法は、撮影したビデオを適当な形式のビデオファイルに変換し、自分のWebサイトに置くという方法です。この方法は簡単ですが、効率が悪く、長いビデオの公開には不適当です。
ビデオの公開に適した方法として、ストリーミング・サーバを使って公開する方法があります。ストリーミングとは、ファイルをすべてダウンロードすることなく受信したその場で再生します。そのため長いビデオや録音を効率的に公開・配信することができます。
また、ストリーミング・サーバを使うと、録画したビデオばかりでなくイベントの映像をリアルタイムでインターネット中継することもできます。
JCA-NETでは、会員用のストリーミング・サーバを用意しています。数10Mバイト以上のビデオやサウンドを公開したい場合や、インターネット中継をしたい会員は、ストリーミング・サーバをお使いください。
なお、JCA-NETが運用するストリーミング・サーバはHelixサーバです。このストリーミング・サーバでは、RealMedia形式の動画ファイルや音声ファイル、およびMP3形式のサウンドファイルを配信することができます。
撮影したビデオテープやファイルをストリーミング用のファイルに変換する方法を簡単に説明します。
ストリーミング用ファイルの作り方
ビデオ映像をキャプチャする
一般的なビデオカメラでデジタル・ビデオ・テープ(DVテープ)撮影した映像は、そのままではビデオ再生装置でしか再生することができません。DVテープの内容をコンピュータ用のファイルにするためには、キャプチャという操作が必要です。
DVテープをキャプチャするためには、ビデオカメラとパソコンの両方にIEEE1396(iLink、FireWire)と呼ばれるインターフェイスが必要です。
すでにIEEE1396インターフェイスのコネクタのあるパソコンなら、別途ハードウェアを用意する必要はありません。IEEE1396コネクタを持たないパソコンなら、パソコンショップで売られているインターフェイスカードを購入して取り付けてください。デスクトップPC用なら3000円ぐらいから、ノートパソコン用のPCカードなら6000円ぐらいからの値段で売られています。
IEEE1396は、ビデオカメラとパソコンを接続するためのもので、実際にキャプチャをするためにはソフトウェアが必要になります。キャプチャ用のソフトはさまざまな種類がありますが、「ビデオ編集ソフト」などと呼ばれるソフトを使うのが一般的です。ビデオ編集ソフトは、映像をキャプチャするだけでなく、キャプチャした映像を編集する機能を持っています。また不要なカットを削除したり、タイトルや字幕を付けることができます。
ビデオ編集ソフトは数千円で購入できる安価なものから10万円を超える高度なソフトまで、さまざまな種類があります。また、ビデオカメラや前述のIEEE1396インターフェイスにビデオ編集ソフトが付属していることもあります。付属のソフトでもキャプチャやちょっとしたビデオ編集には十分です。
なお、DVテープを使わないビデオカメラ(VHS-Cや8mmビデオなど)で撮影した映像をキャプチャする場合は、IEEE1396ではなく、キャプチャカードというインターフェイスが必要になります。
最近のDVDビデオカメラやハードディスク録画のビデオカメラ、デジカメの動画機能で記録したビデオなどは、キャプチャ操作をせずにそのままパソコンにファイルとして取り込むことができます。この場合のファイルは、ほとんどがMPEG4という形式のファイルになっています。
MPEGファイルについて
ビデオ編集ソフトでキャプチャしたファイルは、非圧縮AVI形式のファイルであることがほとんどです。この形式は、編集がしやすい反面、サイズが大きいため、そのままでは配布には不向きです。そのためビデオ編集ソフトは、キャプチャ・編集した映像を配布に便利なように一般的な形式のファイルに書き出す機能が付いています。ビデオ編集ソフトの種類により、書き出すことができるファイルの種類は異なりますが、MPEGと呼ばれる形式で書き出す機能は必ずついているはずです。
MPEG形式のファイルには、VHSと同水準の画質を持つMPEG(MPEG1)、S-VHSと同水準の画質を持つMPEG2、そして最近は圧縮率が高く画質も良いMPEG4などがあります。
ストリーミングのためには、さらにファイルを変換しなければならないため、この段階ではMPEG形式のファイルにしておきます。
DVDビデオなどから取り込んだMPEG4形式のファイルは、本来、そのままの形で配信することができる形式です。しかしビデオから取り込んだファイルは、そのままではサイズが大きすぎるため、インターネットでの配信には向きません。また、JCA-NETのストリーミング・サーバではMPEG4を配信することができません。QuickTime Pro、またはカメラに付属する編集ソフトを使ってMPEG形式に変換することができます。
携帯電話のムービー機能で作成した動画ファイルも、MPEG4の一種です。携帯電話の機種によって3GPP、または3GPP2という形式になります。QuickTime Proなどを使ってMPEG形式に変換することができます。
ストリーミング用のファイルに変換
JCA-NETのストリーミング・サーバで映像を配信するためには、MPEG形式の映像ファイルをRealMedia形式のファイルに変換する必要があります。
RealMedia形式に変換するためのソフトとして、Real社が無料で配布しているReal Producer(またはHelix Producer)というソフトがあります。しかしReal Producerは、MPEGファイルからの変換ができません。そのため、無料で配布されているEasy RealMedia Producerというソフトをお薦めします。このソフトは、インターネットから無料でダウンロード・使用することができます。
なお、ファイルを変換する場合には、適切な表示サイズとビットレートを設定してください。ビットレートが高いと画質も良くなりますが、それだけファイル・サイズも大きくなりますし、転送に必要な転送速度も高くなります。
表示サイズは320x240が適当です。また、ビットレートは200Kbpsから350Kbps程度が適当です。
ストリーミング・サーバへのアップロード
作成した動画ファイルをJCA-NETのストリーミング・サーバにアップロードします。
ストリーミング・サーバにはFTP、またはSCPを使ってアップロードします。ユーザー名、パスワードは、JCA-NETのユーザー名とパスワードを使います。